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カジノサイト 【連載:第1弾】「異種格闘技戦'25」戦う必要なんかない?チルな日本で生きる若者のリアリズム

「できれば、戦いなんてしたくない。」
家でのんびりしているのが1番楽しいし、誰かと争うなんて面倒くさい。戦いという言葉があるから、会社でも評価の目で見られるんだ。比較なんかされないで、自分だけの尺度で生きていきたい。
誰にも邪魔されない自宅の一室で、ふとそんな本音があふれてしまうこともあるでしょう。でもそれが“なぜ戦うのか”について考えるトークバトルなら、少しは覗いてみてもいいと思いませんか。

異なる領域で活躍する6人がカジノサイトみなとみらいリサーチセンターに集まり「予測不能、予定調和一切なし」の熱いトークバトルを繰り広げた今年の 「異種格闘技戦'25」。
今回は「人はなぜ戦うのか?その先にあるものは……?」というテーマで、まさしく熱い“戦い”が展開されていきました。あまりにも抽象的なこの題材、どのような議論が展開されていくのかを見届けるべく、エンタメライターのKYが潜入しました。

 

パネラー:
・原田曜平 マーケティングアナリスト
・田中雅美 水泳元日本代表 スポーツコメンテーター
・志津雅啓 トランス・パシフィック・グループ 代表取締役社長 元1等空佐
・高平尚伸 北里大学大学院医療系研究科医学専攻 主任教授 北里大学医療衛生学部教授
・ダニエル・ヘラー 横浜国立大学総合学術高等研究院 特任教授 中央大学国際経営学部特任教授

 

レフェリー:
・丸岡いずみ フリーキャスター

 

 

目次

    いまは「戦わない」選択肢を選べる時代?

    ここが文字です(左)
    研究開発本部長 仲川彰一と、レフェリー 丸岡いずみ氏

    まずはカジノサイト 研究開発本部長  仲川彰一さんのフリーダムな開会挨拶からスタート。
    仲川氏「そもそも私は、人間の根源にあるのが戦いだと考えています。『今日の昼ご飯は何にしようか』という、些細な選択を繰り返す日々すらも“戦い”といえるからです。この広いテーマを取り上げるにあたり、会場のみなさんからも意見をお聞きすることがあるかもしれません。そう、このイベントは『場外乱闘ありあり』です。」
    なんとまだ始まってもいないのに、会場全体がリングと化してしまいました。登壇者たちのバトルを聞くだけのつもりだったであろう観客たちも、場外乱闘という言葉にワクワクしているように感じます。

    そんなホットな雰囲気をまとった会場に姿を現したのは、5人の選ばれし登壇者たち。フロアの中心に円を描くように座り、全員と向き合うスタイルでいよいよトークバトルが始まります。

    まずは自己紹介とともに、自身の“戦う”についての考えを述べていくことに。戦いとは程遠い和やかなムードで進行していきますが、さっそく気になる発言が。元1等空佐でトランス・パシフィック・グループ 代表取締役社長の志津雅啓氏と、マーケティングアナリストで芝浦工業大学デザイン工学部教授も務める原田曜平氏です。

    志津氏「“戦う”というのは守るものがあるから戦うんじゃないのかなと。『戦う=ファイト』ではなく『戦わずして勝つ』ということも大事なことかと思います。」
    原田氏「世代で見てみると、いまの日本の若者はあまり戦わなくなっている。果たしてそれは良いことなのか悪いことなのか……そこも議論していきたいです。」
    「なぜ戦うのか?」がテーマにも関わらず「戦わない」というワードを残した2人に、今回レフェリーを務める丸岡いずみ氏がキャスターらしく志津氏と原田氏にすかさず切り込みを開始。いよいよ本格的にバトルが始まりました。


    志津雅啓氏
    志津雅啓氏

    元空佐として、国防に従事した経験のある志津氏がまず口を開きます。

    志津氏「社会で生きていくうえでは『やらない、戦わない』という選択肢も視野に入れるべきです。尊重し合い、互いを見出すことができるのであれば、わざわざ拳を交える必要はありません。最近の言葉をあえて使うのならば、戦わなくて済むなら“コスパ”がいいですよね。ただ、自衛隊員は『国民の生命財産を守るため、自分たちに何ができるか』を考えながら戦っています。自己ではない、誰かを守るべき瞬間には“戦う”という行動に出ることが必要です。」

    続けて、原田氏も語ります。原田氏「若者にとっては、戦わなくても生きていける時代が到来しています。少子化とともに生きづらい世の中になると思いきや、むしろ大学の学部数が増えているのが現状です。スマートフォン一つあれば、豊富なレジャーを楽しめてしまいますしね。そしてコンプライアンスの存在のおかげで、厳しい言葉を投げかけられることも少ない。就職もしやすく、他人と競わずともある程度の人生を送れるのが、いま私たちが生きている日本といえるでしょう。」


     

    現代の若者の生き方、納得できる?

    高平尚伸氏
    高平尚伸氏

    「戦わない」という言葉だけで、この情報量と説得力。さっそくテーマが揺らいでしまったかと思いきや、原田氏の主張のなかにあった「若者」に関する話題が予想以上の盛り上がりを見せました。

    北里大学医療衛生学部にて、スポーツ科学を中心とした医療現場で活躍する高平尚伸氏からは、若者との共創に関連した面白い事例が語られていきます。
    高平氏「『働き方改革』の波は、命を司る医療の現場にも広まりつつあります。例えば研修医に関しては、17時になったら退勤をさせるような動きがあるんです。それがたとえ、手術中だとしても。もちろん、その場にいなくても問題ない場合の話ですけどね。」


    ここが文字です(左)
    田中雅美氏

    続けて元水泳日本代表選手であり、シドニー五輪 銅メダリストの実績をもつ田中雅美氏からも、スポーツの観点から「若者」に対する考えが述べられました。

    田中氏「スポーツにおいては、コーチによる愛情のある指導と、ハラスメントへの配慮のバランスに苦労しているように感じます。ただ、昔ながらの教え方が良かったかというと、私は決してそうは思いません。例えば、指導者が言語の範囲を超えるからこそ出る『体罰』は、若者の人生に生涯マイナスな影響を及ぼす危険性がありますよね。とはいえ『もう少し頑張ってみよう』のような声かけすら配慮が必要だと考えると、現代の若者に戦うことを説くのは難しい部分があると思います。」


    ダニエル・ヘラー氏
    ダニエル・ヘラー氏

    自己紹介で「私は日本語と戦ってきた。」と話しインパクトを残したダニエル・ヘラー氏は、横浜国立大学と中央大学で特任教授を担う経験をもとに、若者に関する意見を登壇者たちへ伝えていました。

    ヘラー氏「『犠牲者が出るかどうか』は、若者が戦う決意をする判断軸の一つになると思います。世界に目を向けると、戦いが原因での犠牲者が多いことがわかりますよね。そんな歴史を紡いできてしまったのは、私たち大人が背負うべき罪です。現代の若者は『いままでの戦い方をしたくない』と思っているのかもしれない。もっと上手く生きられる術を模索しているからこそ、いまは拳を握っていない可能性があるのではと思っています。」
    ここまでの話を聞いた方は「異種格闘技戦」という表題に納得せざるを得ないでしょう。さまざまな立場の専門家が揃うだけで、ここまでジャンルの異なる話題が提供される事実には驚きを隠せません。

    ここが文字です(左)
    原田曜平氏

    そして議論は、ヘラー氏の国際的な意見に反応した原田氏が、日本ならではの考えを軸にした話でさらなる広がりを見せていきます。

    原田氏「アメリカや韓国のソウルのような人口密度の高い環境では、大学生による就職難が発生しています。つまり生活をするために、周囲と戦わざるを得ない状況といえるでしょう。そのような背景から考えると、日本はまさに天国。戦わずともそこそこの人生を全うできる『チル』な国といえますね。」
    原田氏から飛び出した“チル”というワードには、ほかの登壇者たちも「なるほど」という表情に。そして以降も、次世代を担う者たちに関する話題が止まらない、止まらない。

     


    すると丸岡氏から、オーディエンスに向けて「若者との接し方に困った経験がある方はいませんか?」と問いかけが。イベント冒頭で、場外乱闘ありありと言っていたのはこれか。

    複数人の手があがり、当てられた1人の観客はデザイン会社に勤務する男性。自身の悩みを吐露しました。「新卒社員が入り、コンペに挑戦したが負けてしまった。こちらは経験を積んでほしいという意図でしたが、本人は自身の理想通りの成果を出せなかった、力不足であるからと、早々に辞めてしまいました。これから経験を伴いながら教えていく段階だったのに。一体どうしたら良かったのでしょうか。」

    この問いについて原田氏からは「実はその問題、本人にも話を聞いてみないと本質はわかりません。」と超リアルな回答が。言い方の問題もあったかもしれないと中立な立場を保ちつつ、戦いをフェアに続けていきました。


     

    ここまで、現代の若者の戦いに関する意見を述べてきた登壇者たち。田中氏からは「若い方には、学生のうちに『挑戦』する経験をしてほしいと思っています。ゆっくりでもいいから、自分を高めるための行動を起こすことが大切です。」と若者へ向けたエールが送られました。

    「この異種格闘技戦を目に耳にした若者たちは、一体何を思い、どんな反応を示すのだろう。」そんな考えを巡らせているうちに、議論は新たな方向へと転がっていきます。すべての人々の心に響くであろう「自分との戦い」の話題へ。

    その様子は第2弾でご紹介しますので、ぜひお楽しみに。

     

    <著者紹介>

    ライターKY

    千葉県在住 エンタメビジネスライター

    エンタメの表舞台に立つ方々だけでなく、裏方として活躍するビジネスパーソンにもフォーカスした取材をおこなっております。



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